ギター協奏曲「旅するギター」初演

2013年2月13日
ギター協奏曲「旅するギター」作品131 
ギター独奏:山田岳 松尾祐孝指揮 JSCMユースチャンバーオーケストラ
Guitar Concerto “Traveling with guitar” op.131
Guitar: Gaku YAMADA Conductor: Masataka Matsuo JSCM Youth Chamber Orchestra
渋谷 大和田さくらホール
日本現代音楽協会 室内オーケストラの新地平?での初演です。


ギターは旅に似合う。ギターは、街角でも、酒場でも、窓辺でも、厳しい場所に赴く探検隊でも、僻地の開拓地でも、独裁に抵抗するデモの現場でも、多くの人が喜怒哀楽をともにしてきた。繊細な旋律を一人の為に爪弾くこともあれば、激しく掻き鳴らして群衆にアピールすることもある。歌う人があれば伴奏をかってでる。この協奏曲は4楽章からなる。第3楽章はギター独奏のみの楽章で「どこか遠くから音楽が聴こえる」という副題がついている。この楽章は、長崎の詩人、森永かず子さんの詩による歌曲を原曲としている。

鍵ハモトリオ 野村誠

野村誠さんが、2月3日の鍵ハモトリオで演奏する15曲について、毎日1曲づつブログで書くという、大変、面白いことを始めた。いったいいつこんなに文章を書くんでしょう。13曲世界初演する直前だというのに。
http://d.hatena.ne.jp/makotonomura/20130118


出品の作曲家からのメッセージ


平木悟

私は、子どものための楽譜出版社「ミュージックエイト」の社員です。日頃仕事で親しんでいる鍵盤ハーモニカが、現音さんで取り上げられると聞き、企画に参加したいと思いました。願いが叶って喜んでおります。



三沢治美

作曲・編曲家、ピアニストの三沢治美です。無声映画の作曲や、合唱曲の出版などをしています。鍵盤ハーモニカはピアノデュオやバンドで演奏中。2月の鍵ハモトリオで皆様にお会いできることを楽しみにしています。

http://www.harumi-misawa.com/



池田真沙子

はじめまして。2月に行われる、鍵盤ハーモニカのコンサートに出品させて頂きます。新しいもの!美しいもの!楽しいもの!との出会いに恵まれ、2013年をスタートできる事に、とても感謝しております。



高橋哲男

「いつもはMAXでプログラミングしたり、即興を探求したり。記譜からは一番遠いところから小さくて大きなオーケストラ、鍵ハモトリオの為に作曲しようと思った時、やはり使ったのはMAXでした。」



田口雅英

明けましておめでとうございます。2月の鍵ハモトリオ公演に出品いたします、田口雅英です。今回の私の作品は、3人の奏者が会場内を歩き回りながら演奏するパフォーマンス的な性格や、それに伴って音が様々な方向から聞こえてくる空間性に焦点を当てています。



中村典子

昨年、中国南部九州近畿関東米国西部を訪れた金環日食は地球上同地点で数百年に一度の出来事。私達はまた始まった。2013年も地と時と真に結ばんと雛翠と共に力を尽くします。



大慈弥恵麻

「愛があって味わいがあって。そんな楽器、鍵ハモでの今年の関西企画からはこってり15曲発信します。どうぞご期待ください。」



南川弥生

レクチャーで初めて知った鍵ハモの様々な奏法や可能性。いざ書き出してみると、息を使う鍵盤楽器ということを再認識。3分でも内容濃く大量な音の洪水に、山村サロンの能舞台を前に、演奏者も作曲者も聴衆も溺れないことを願いつつ。



福井とも子

この曲を書く為に鍵盤ハーモニカを購入。しかしながらこの楽器、聴くと吹くとでは大違い。こんなに息が続かないなんて!!!それで毎日特訓と称し、遊んでいてできたような曲です。



諸橋玲子

子供の頃に演奏したことのある鍵盤ハーモニカ。とても身近な楽器だと思っていたのですが、いざ書き始めるとまた違った新しい世界が見えて来たようです。15曲それぞれが3分間、どのような音の世界を繰り広げるのか楽しみです。



近藤浩平

NHK教育の番組「あいのてさん」でも人気の野村誠さんは、子供からお年寄りまで音楽の遊びに巻き込む不思議な人です。現代音楽の作曲家諸氏も刺激されて何をしでかすことやらです。

演奏家のメッセージ


野村誠

1曲3分、全15曲のコンサート。多彩なプログラムになりました。現代音楽の魅力、鍵盤ハーモニカの魅力を、最大限に表現していきたいと思っております。どうぞ、よろしくお願いいたします。



片岡祐介

この曲を書かれた方はどんな顔?どんな声?と想像をふくらませながら譜面を読んでいます。見知らぬ方々から沢山のお手紙をいただいた気分。僕は演奏で返信をお届けします。皆さんぜひお越しください。



鈴木潤

一口に「現代音楽」といっても、こんなに色々な表現があるものなのかと、いただいた譜面を練習をしながら自らがわくわくしております。弦楽器的な演奏、パーカッシブな演奏、一般にはあまり知られていない特殊奏法まで、鍵盤ハーモニカ自体の多彩な表現も楽しんでもらえたらうれしく思います。

プログラム

福井とも子:ascending and descending

平木悟:音楽は廻る

池田真沙子:もつれたリチェルカーレ

木山光:曾根崎心中

近藤浩平:南の島の3人の男

Andrew Melvin:トリオ

南川弥生:Moon rainbow

三沢治美:Blue Dance

諸橋玲子:おとなひ�

中村典子:雛翠

野村誠:ベルハモまつり

大慈弥恵麻:Nasobema2

Gardika Gigih Pradipra:Melodi di Kampung

田口雅英:3分間の夢想

高橋哲男:五連鐘楼のアナグラム

野村誠 鍵ハモトリオ


2013年2月3日 芦屋 山村サロンへ是非、来聴ください。

福井とも子:ascending and descending

平木悟:音楽は廻る

池田真沙子:もつれたリチェルカーレ

木山光:曾根崎心中

近藤浩平:南の島の3人の男

Andrew Melvin:トリオ

南川弥生:Moon rainbow

三沢治美:Blue Dance

諸橋玲子:おとなひ�

中村典子:雛翠

野村誠:ベルハモまつり

大慈弥恵麻:Nasobema2

Gardika Gigih Pradipra:Melodi di Kampung

田口雅英:3分間の夢想

高橋哲男:五連鐘楼のアナグラム




野村誠さんが、このコンサートについて下記のように書いている。


鍵ハモトリオ・コレクション

百人一首」のような「鍵盤ハーモニカ(鍵ハモ)トリオ集」を作ろうと思って,同時代に生きる作曲家に委嘱を始めたのは、2006 年のこと。 5年間で、3分以内の小品が16曲も集まり、一曲ごとに全く違った響きが立ち上がった.鍵ハモトリオという編成は、本当に可能性があると確信した。しかも、日本は世界屈指の鍵ハモ先進国。メンバーを集めるのも比較的簡単で、再演もしやすい。コンサートホール、ライブハウス、会議室、カフェ、様々な場所で演奏ができる。例えば、田中吉史の「うろおぼえの旋律とコラール」は、07年に京都で初演したが、その後も、08年に東京で、 09年に浜松、名古屋、ロンドン、東京で再演するなど、頻繁に演奏している。

日本以外の国では、鍵ハモトリオは、非常に珍しい編成だが、鍵ハモと譜面と音源を持って、世界各地で少しずつ種まきをし、輪が広がってきた。イギリスには、鍵ハモに興味を示している作曲家が何人もいる。 例えば、Andrew Melvinがブルネル大学に提出した博士論文では、彼自身の鍵ハモトリオ作品「トリオ」について、詳述されている。インドネシア国立芸大を最優秀の成績で卒業したばかりのGardika Gigih Pradipta は、鍵盤ハーモニカを頻繁に用いた演奏活動を展開している。そして、こうした鍵ハモに興味を示す作曲家は,面白い作曲家ばかりなのだ。

こうした活動に、日本現代音楽協会が興味を示し、鍵ハモトリオの新作を公募することになった。これは、歴史的な事件だと思う。名乗りをあげた作曲家は、予想通り個性派ぞろいだった。日本現代音楽協会の会員から7名、非会員から4名、計11名の新作が集まった。それに加えて、インドネシア民族音楽を題材にしGardika Gigih Pradiptaの作品、非常にエネルギッシュでリズミカルな木山光の作品、イギリス人らしいユーモアが詰まったAndrew Melvinの作品など、あわせて15人、15曲。譜面を前に現在、猛練習中で、大変だがこれは本当に面白い。今回のプログラムは、様々な音の珍味を一口ずつ味わっていただけると思う。

コンサートでは、3分の曲の演奏の前に、それぞれの作品や作曲家に関する5分のトークをつける予定だ。  鍵ハモトリオという編成は、いずれ(ハイドンの時代の弦楽四重奏のような)スタンダードな編成になると思う。多くの作曲家が、これからも鍵ハモトリオの作品を書くだろうし、鍵ハモを演奏するプレイヤーも増えていくだろう。そんな時代は時々刻々と近づいている。今回のコンサートは、その大きな一歩になると思う(野村誠



▼プロフィール

野村誠 NOMURA Makoto
鍵ハモ奏者として、現代音楽/即興演奏のフィールドを中心に、幅広く演奏活動。Juice Festival(イギリス)、Melodica Summit(ドイツ)、Lille 2004(フランス)、Zommer Jazz Fiestour(オランダ)、竹山国際芸術祭(韓国)、Festival Musik Tembi(インドネシア)などで鍵盤ハーモニカを演奏。96 年、鍵ハモ・オーケストラ「P−ブロッ」結成し、平石博一、Elliott Sharp、しばてつ、Soe Tjen Marching他、数多くの作曲家の新作を世界初演。06 年より、「鍵ハモトリオ」プロジェクトを開始し、鶴見幸代、朴守賢、田中吉史、David Kotlowy、橋本知久、牛島安希子などの作曲家の委嘱新作を次々に世界初演。09 年、国際交流基金(ロンドン)にて、鍵ハモのレクチャーを行う。NHK 教育テレビ「あいのて」、「ひみつのチカランド」、「ドレミノテレビ」などに出演し、鍵ハモの魅力を伝える。第1回アサヒビール芸術賞受賞。作曲プロジェクト「原発やめます」を進行中。著書に「音楽づくりのヒント」(音楽之友社)、「即興演奏ってどうやるの」(あおぞら音楽社片岡祐介との共著)ほか。現在、京都造形芸術大学客員教授

片岡祐介 KATAOKA Yusuke
1969年生まれ。東京音楽大学で打楽器を学び、スタジオミュージシャンを経て、1997年〜 2000年、岐阜県音楽療法研究所に研究員。打楽器奏者としては、伊左治直、坂野嘉彦近藤浩平野村誠などの作品を世界初演。06年度NHK教育テレビ「あいのて」に黄色のあいのてさんとしてレギュラー出演。1998年より、鍵ハモ・オーケストラ「P−ブロッ」にゲストとして参加するなど、頻繁に鍵ハモの演 奏を行う。2009 年には、ロンドンの国際交流基金にて、Andrew Melvinの鍵ハモ3 重奏のための「トリオ」を世界初演。著書に「CDブック音楽ってどうやるの」(野村誠と共著:あおぞら音楽社)がある。現在、京都女子大学京都造形芸術大学非常勤講師。

鈴木潤 SUZUKI Jun
バス鍵ハモの第一人者。京都大学哲学科卒業後(卒業論文のテーマは「リズム概念の拡大と発展」)、レゲエ・キーボーディストとして、ジャマイカおよび日本のレゲエアーティストのツアー・レコーディング等をサポート。その後、R&B、ブラジル音楽のキーボーディストしても活躍。鍵ハモ・オーケストラ「P−ブロッ」は、結成時より参加し、バス鍵ハモの演奏技術を開拓し、イギリス、フランスでの公演で、絶賛される。11 年、メロディオンフェスティバルに出演し、バス鍵ハモの魅力を披露。著書に「こどもの器楽合奏曲集」、「音・リズム・からだ」(民衆社)ほか。参加CD多数。現在、京都女子大学京都造形芸術大学非常勤講師。
主催:日本現代音楽協会(国際現代音楽協会日本支部


協力:山村サロン
協賛:株式会社鈴木楽器製作所
助成:芸術文化振興基金
公益財団法人 花王芸術・科学財団
公益財団法人ロームミュージックファンデーション
一般社団法人 日本音楽著作権協会JASRAC

2013年2月13日に初演のギター協奏曲について

ギター協奏曲「旅するギター」作品131

ギターは旅に似合う。ギターは、街角でも、酒場でも、窓辺でも、厳しい場所に赴く探検隊でも、僻地の開拓地でも、独裁に抵抗するデモの現場でも、多くの人が喜怒哀楽をともにしてきた。繊細な旋律を一人の為に爪弾くこともあれば、激しく掻き鳴らして群衆にアピールすることもある。歌う人があれば伴奏をかってでる。この協奏曲は4楽章からなる。第3楽章はギター独奏のみの楽章で「どこか遠くから音楽が聴こえる」という副題がついている。この楽章は、長崎の詩人、森永かず子さんの詩による歌曲を原曲としている。

野村誠 鍵ハモトリオ・コレクション

〈扉―未知なる創造へ 現代の音楽展2013〉 現音in 関西企画第3弾
野村誠
鍵ハモトリオ・コレクション
1曲3分 15人の作曲家による、15曲
主催:日本現代音楽協会 (国際現代音楽協会日本支部
協力:山村サロン 

出演
野村誠 片岡祐介 鈴木潤

作曲
南川弥生 田口雅英 近藤浩平 中村典子 福井とも子 諸橋玲子
大慈弥恵麻 Andrew MELVIN 池田真沙子 Gardika Gigih PRADIPTA 諸橋玲子 木山光 平木悟 高橋哲男 三沢治美 野村誠 


2013年2月3日(日)15時開演
山村サロン
芦屋市船戸町4-1−301 芦屋ラポルテ本館3F (JR芦屋駅下車)
入場料:2,500円
申込み:日本現代音楽協会 Tel.03-3446-3506
 http://www.jscm.net/ gendai2013@jscm.net