ヴィオラとピアノの為のソナタ『2月の森』 作品120

ヴィオラとピアノの為のソナタ『2月の森』 作品120

ヴィオラとピアノの為の日常レパートリーとなる得る作品として書かれた3楽章からなる作品。2011年2月に完成し「2月の森」というタイトルを付けた。
ヴィオラの音もピアノの音も、木に共鳴させた音である。どこかに生えていた木であろう。
2月の森にも様々あり、下草も低木も深い雪に埋もれてブナやモミなどの大きな木が並ぶ雪深い山の森もあり、南の海沿いの椿が咲く照葉樹やつるりとしたヒメシャラやリョウブの目立つ森もある。森の中に岩があって谷の水の音が反響している場所もある。
このソナタが想起させるものは、森の中の様々な気配が共鳴しているような風景である。
緻密で完成された構築物というわけでもなく、誰か個人の感情表現というわけでもなく、森の中にいる時の生き物としての感覚を、ヴィオラの音色で歌い、ピアノに共鳴させた作品である。