オーケストラ曲

昨年から書いた3つのオーケストラ小品は、まとめて組曲にしました。
3つあわせても10分なので短い作品です。
2管編成。国内某有名コンクールに締め切り寸前で応募しました。
応募料は豪華外来オペラを見に行くくらいでした。
どう考えても、審査員の顔ぶれを見ても、このコンクール向きとは言い難いと思われるオーケストラ曲ですが、簡潔で地味ながら、個性的な作品には仕上がっています。
浅く読めば、新古典主義の焼き直しにも見えかねないシンプルな譜面ですが、内容は、江森國友氏の詩の森や空のイメージがあり、実はリズムもいろいろ工夫してあります。
譜面上の目新しさはありませんが、各曲のオーケストレーションの対比は明確です。
新ヴィーン楽派に由来し20世紀後半のヨーロッパ現代音楽に特徴的な音程やリズムや音色の好みからは、距離を取っています。
今や2008年です。
西洋音楽的な感情表現や構築性や完成度とも違いますし、欧米人が好きで期待しがちな雅楽風なものだとか間や幽玄というものも用意してありません。
ガムランや日本の鉦や太鼓の音楽に通じるようなエネルギッシュだが喜怒哀楽の激しさのない音楽と、北方的な思索性(シベリウス後期、ニールセン、ホルスト後期、ティペットとかに感じられるような)が混じり合ったような音楽になったかと思います。