ハルダンゲルヴァイオリン

兵庫県公館(迎賓館)にハルダンゲルヴァイオリンを聴きに行った。
兵庫県公館は1902年に建った立派な洋館。中に入るにははじめて。
ここで開催された、山瀬理桜さんの「北欧 春のフィヨルドの調べ」と題されたコンサートを聴きに行く。
山瀬理桜さんのハルダンゲルヴァイオリン、ヴァイオリン、中村真理さんと城綾乃さんのピアノ、山瀬クリスティーナ静佳さんのハルダンゲルヴァイオリンと歌。

マイクを使った山瀬さんの司会はMCなみに達者。
曲によってピアノ、シンセサイザーのアレンジも使い、照明や映像の映写も使い、グリーグや、人気のアイルランド音楽のリバーダンスの曲も入れたり、宮崎駿の短編アニメーションの為の自作も紹介しつつクラシックコンサートに馴染みがない人が来たとしても、退屈させずにひきつけられるきっかけが沢山工夫してある。
グリーグの周知の名曲をこの楽器で弾くことは、とても一般の音楽ファンにとって聴きやすい、一見、シンプルな趣向だが、グリーグの音楽の民族性や個性の由来、新しさを明らかにするもので音楽の奥行きと正当さがある。
ノルウェー民謡そのものも聴き、北欧の音楽の歴史で重要なガーデやトヴェイト、オーレ・ブルなどの知られていな曲も、プログラムに組みこまれているが、マニアックな珍しさや、親しみやすさで組み立てられているのではなく、いつのまにかグリーグの音楽のポジションから周囲をバランスよく俯瞰できるように、より深く興味を引き起こすように組み立てられた考え抜かれたプログラミング。

演奏の上手いクラシック演奏家や、ステージで魅力的な演奏家は、沢山いるし、知的に難しい話しをする音楽家も沢山いるが、このように、コンサートが出来る演奏家は少ない。