久々の作曲コンクール応募

昨年書いた室内楽作品の楽譜を、某国内コンクールに応募する準備をする。
参加料を郵便局で振り込む、証明写真を撮るなど、ちょこちょこした用事。
国際ピアノデュオコンクール作曲部門での入選を例外として、作曲コンクールというものは今まで譜面審査、予選落ちを繰り返してきた。
今回は、少々ラジカルなスタイルの3重奏である。
演奏技術的にも刺激的な難曲であるが、聴く人にとってもエキサイティングな曲に仕上がっている。この曲の極端なまでに生き生きしたリズム感を、譜面審査段階で把握するよう審査員の方々にはお願いしたいところである。


コンクール入賞歴とかいうものは、それ自体が音楽の目的というわけではないが、私のように在野で独学で作曲をしている者にとっては入賞歴は、音大卒などの学歴や師事歴などのいわば一定の専門的レベルを示す身分証明を代替し、音楽活動の場を広げる上で効果の高い道具といえる。
ある程度の学歴、師事歴のある音楽大学出身者の方は、もしかしたら、入賞前、入賞後の環境に大きな変化は無く、その効果をあまり感じないかもしれない。
師事関係や音大関係での演奏会作品出品、演奏家へのコンタクトや公的な団体などとのコンタクト、演奏会のニュースリリース。こういった、なんでもない音楽家としての日常のやりとりにおいて、もし、貴方が、音大卒などの学歴がなく、師事した先生もおらず、一緒に学んだ同窓もおらず、入賞歴や資格などもなく、過去に作品発表などの実績も無く、ただ手元に、一度も演奏されたことのない楽譜の束だけがあるとしたらどうだろう。
白紙の履歴書をもって就職活動で企業を訪ね歩くような状況となる。
まず、楽譜を見てもらうだけでも、いろいろな手を打つ労力と工夫がより多く必要になる。
私の場合、確かに、1999年以前と現在では大きく環境が変わったと感じる。
国際ピアノデュオコンクール入選や、突然の個人的なコンタクトで作品を認めて演奏に踏み切ってくださった何人かの演奏家が作ってくださった作品演奏履歴といったものが、その後の活動の場につながっている。


要するに、コンクールの賞というものは、すでに活動の充分な場を与えられた立場の方が重複して受け取るよりも、私のような在野の音楽家に与えられたほうが、より大きな効果をもたらすというわけである。
ということで、応募する以上、賞は欲しいのである。