袈裟丸山

わたらせ鉄道で、沢入へ。

新緑、山桜。わたらせ鉄道の車窓風景は、道路やダム工事で、昔の景色を損なわれつつあるとはいえ、この季節は美しい。
沢入の駅は、ホームの桜や草花が咲き、古い駅舎も残り、まさにローカル線の昔ながらの駅で、一両編成の茶色い車両が止まっていると絵になる。
ここからタクシーで、林道をえんえんと登っていき折場登山口へ。
折場付近から、なんと遠くに富士山が見えるのに感激する。
つつじにも新緑にもまだ早い、鹿に食べられすぎて背の低い笹とで、明るいが乾いた印象だ。左山腹が笹の原っぱのようになっているのは伐採跡が回復しないのだろう。
賽の河原を過ぎ、ガレ場に雪をつけた男体山、雪のついた日光白根、樹林におおわれた皇海山、などを望む。歩きやすい明るい稜線で雪もない。
かまぼこ型の避難小屋に着く。意外と使えそうな小屋で、周囲はテントも張れる気持ちの良い林。
さて、この先、前袈裟丸山への登りが樹林の間の急斜面に中途半端に雪が残り登りずらい。
泥のところもあって、雪は中途半端に踏まれて滑り落ちそうだ。
下りは軽アイゼンを付けると効果絶大であった。
頂上からは関東平野が見下ろされ、日光の山々から高原山が望まれるが、日光白根以外はもう雪は少ない、西には、上州武尊、谷川連峰などがまだ白い。
雪山に登りたくなる風景である。
下りは寝釈迦を見て、塔の沢登山口へ下り、車道を沢入まで歩く。
8時間ほどの長い歩行時間となった。