妙義山中間道と桐生

夜行バスで高崎へ。高崎から上信電鉄下仁田へ。電車の終点、下仁田は、昔のままの駅舎で駅前のタクシー事務所も人がいない。
町中には宿などもあるが連休中とはいえ早朝だし、ひっそりしている。駅の手前の車窓風景は谷間を見下ろし、西上州の特徴的な山並みを眺め、山桜も、線路沿いの野花も美しい。
下仁田からタクシーで、中之岳神社へ。

見上げる妙義山はまさに奇峰。よくも、ここまで険しく極端な形をしているものだ。
遠くには荒海を行く鯨のように荒船山が浮かぶ。
石門群の鎖場を通る。一般向きにしてはなかなか腕力も使う鎖場。石門は両面が垂直以上になった薄い岩尾根の中腹が両面からつながって大きな穴が空いているという所。
こういうものは他の山では見たことがない。
樹林も美しい。中間道は、実に、上手く、山腹のバンドを伝っていく作道。
つつじには、まだ早すぎ。連休というのに、意外と人は少なく、静かな山行となる。
妙義神社付近の桜がまだ残っている。
ふれあいプラザの温泉で休憩していると突然、天気が崩れ、雷も鳴り、激しい風雨に、桜の花が舞う。
稜線を行っていたら、大変な目にあうだろう。


バスで富岡へ向かい、上信電鉄で高崎へ、さらにJRで桐生へ。
桐生駅前からホテルの送迎車で、山のてっぺんにある、きのこの森桐生国際ホテルへ。
新緑の美しい森を専用道路で登りつくとホテルがある。
椎茸栽培の権威がもともと世界のきのこの学会開催の為に作ったホテルが前身で、経営が昨年から変わったとはいえ、きのこホテルとしての特徴があちこちに見られる。
ホールはマッシュルームホール、レストランスポア(胞子という意味らしい)、きのこ茶屋など設備名にも、造作物にも、部屋の内装にも、温泉の中にも、外観にも、きのこのモチーフがある。
眺めは新緑の丘に囲まれた桐生の街を見下ろし、裏手は、桐生市北部の山々が鮮やかな緑。
きのこ茶屋での夕食は、森の中の和室で、炭火で椎茸を焼く。青竹酒が美味く、ついつい飲み過ぎた。