先生

私は作曲そのものは独学だが、音楽学の先生はいます。
先生の家でパプア=ニューギニアの音楽を聴かせてもらったことがあります。
現地の人と一緒に踊りながら録音しているので音が踊ってました。
最初はベートーヴェンの論文を書いていたのがだんだんクラシック音楽がうっとうしくなったのか民族音楽などへ興味を移されたようです。
その師匠の師匠は、うさぎグッズのコレクションで有名な音楽学者(こないだ亡くなられた)。

中学、高校のときの音楽の先生は、一般の中高校なのに、深い人物二人でした。
中学生のときの音楽の先生は、授業では寡黙なのですが、時々音楽鑑賞でベリオやノーノなど、いきなりかける人でした。
ただ、「こんな音楽もある」としか言わない先生。ピアノ科出身でいささか変わり者でした。
大学生の頃、亡くなられたあと、お宅に伺ったら、ベートーヴェンからプロコフィエフヒンデミットやペンデレツキの楽譜などの膨大なコレクションが遺されていました。
その遺品の楽譜が僕の本棚に沢山あります。
中学生の頃、自作の楽譜を見せたら、「縦はこれでも良いので、横を考えよう」「ユニゾンのところはないのか?」と二言だけ言われたのを憶えている。
奥様によると、家では、「こんな、曲を書く面白い生徒がいる」とよく話していたらしい。

高校生のときの音楽の先生。
ヘルシンキで勉強したという合唱指揮者で、
よく大学の聖歌隊の指揮をしていた。
ヘンデルやヴィクトリアなど古い時代の音楽を聖歌隊とやっているのだが、稀に、授業中に、ピアノでトーンクラスターなどがーんと弾いたりして、リゲティなど鑑賞させたりする。
ヘルシンキで実は、ラウタヴァーラに作曲を学んだらしい。
ということで、私は、今や現代音楽の中で聴衆を獲得している人気作曲家、ラウタヴァーラの孫弟子かもしれない・・・