保険

ある従業員10人の会社があるとする。

年間10億の利益が出るが、従業員が非常に危険度の高い仕事をしている。
これまでの事故頻度を計算すると従業員ひとりあたり平均して30年に1回の死亡や重大な事故が発生する事故確率計算になっている。

その為、会社としては、従業員全員に事故後家族の生活を保障する生命保険をかけている。
そのコストが従業員一人あたり、保険料年1000万円で支払額2億である。
10人いるので保険料を年1億払っても会社は十分、利益があがっている。
事故への積立コストを参入しても年間9億の利益があるので、この危険な仕事は、安全だが年に3億しか利益にならない仕事より、会社としては儲かる。

原子力のコスト計算で、苛酷事故の発生頻度と、発生時の被害額を発電コストに算入して、発電量あたりのコストを、他の電源と比較している計算をして、原子力の経済性を他の電源と比較している資料をよく見かける。

上にあげた架空の会社は、確かに毎年9億の利益を上げる会社なので、現在のもうかる仕事を続けたいし、今更、従業員の給料を下げられないと社長は判断するかもしれない。
しかし、この会社には、離職率は低いのに勤続30年の社員がほとんどいない。