大阪フィルの定期演奏会

大阪フィルの定期演奏会
コダーイ ガランタ舞曲
リゲティ ヴァイオリン協奏曲
ラフマニノフ 交響曲第3番

ヨナス・アルバー指揮 
ヴァイオリン独奏 庄司紗矢香

大阪フィルの定期で、リゲティのヴァイオリン協奏曲が聴けるようになるとは、時代も変化しつつあるのだろうか。
とはいえ、まだまだ大阪のクラシックファンの大多数にとっては、プロコフィエフあたりがやっと普段の曲目になりつつあるという状況で、メシアンあたりでもそうそう頻繁にオーケストラの定期演奏会の曲目に入っていたりというところまでいっていない。
ソリストの名前につられたり、ラフマニノフの名前で聴きにきた方で、リゲティの名前すら知らないという方が大部分だったのではないだろうか。どうしてシベリウスなど知っている名曲をやらないのだろうと思いつつ、さらに、聴いたこともない不思議な音の協奏曲で、どう感じられただろう。
ブログなど検索すると、リゲティの音楽を知っていて、遂に実演が聴けると期待を持って聴いた人達、リゲティも現代音楽も馴染みなくてなんだかわからないが実演だと楽しめたという人達、こんなの音楽じゃないと曲のあたまから耳と心を閉ざしたクラシックファンとに分かれたようだ。
楽家庄司紗矢香の本当のファンであれば、庄司紗矢香がやろうとしていることに、現代曲はわからないと拒否する前にまずは素直に耳を傾けてみるのが本当だろう。
どういう曲を演奏するかという選択もまた、演奏家のメッセージの大きな部分なのだから。


演奏後の拍手は盛大であった。
こういった体験と驚きが、クラシック音楽の演奏会を、舶来伝統芸能の上品な鑑賞趣味から脱皮させるものになると思う。
アンコールのバッハは、リゲティの繊細な音響の余韻を壊してしまうので、余分だったと思う。