パリ国立オペラ デュカス「アリアーヌと青ひげ」

兵庫県芸術センターでパリ国立オペラ
デュカス「アリアーヌと青ひげ」を見る。

デュカスの色彩的な和声骨格にあえて弦の半透明のヴェールをかぶせたような響きを堪能する。

青ひげの力による支配と独占(領主が美女を囲む)が、民衆の反乱による社会構造の変化で崩壊し、青ひげから自由になる生き方と、制度的強制は崩れても男に支配される生き方と、2つの選択肢が、20世紀の女性に出来たきたが、あなたはどっちの生き方を選ぶのですか?
と女性に問いかけているような筋書き。
青ひげの力が、女性の反抗の力ではなく、結局は、農民の蜂起でうち砕かれて、扉が外から破壊されるところが、なかなか甘くない現実主義的設定。

今日の演出では、幕切れで、青ひげに残る女性達が近づかないまま、青ひげがむっくり立ち上がる所で幕切れになったので、城に残る女性の状況が、結局、最初のままに戻ることを暗示していて不気味。自立して外へ出ていく女性の生き方を肯定する結論をはっきり見せた演出だと思える(同時にそれが、話しの面白さとしては結末を単純化しているようでもあるが)。