大フィル

大植さんの指揮による大フィルを久しぶりに聴きに行く。
ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番は、ルノー・カプソンが非常な美音。
しかし、この曲はオーケストラの情熱的なバックが魅力的だが、どうも大人しくて控えめ。
カプソンの美音を邪魔しないように抑制しているのだろうか、やっとオーケストラは3楽章で盛り上がってきてずいぶんスロースタートな印象。
ラフマニノフ交響曲第2番。こういう曲でのひとつひとつの音楽のうつりかわりごとに感情を高めて聴衆をひぱっていくエネルギーが凄い指揮者と思う。
大フィルの定期は、非常に満足度が高いことが多くなった。
昔は、外来オーケストラのコンサートは聴きぎたえがあり、一方、大フィルはじめ在阪オーケストラの演奏会は、あまり楽しめないことが多かった。
しかし、近年は、外来オーケストラの公演が、マネジメント会社やザ・シンフォニーホールの事業部の聴衆の保守性を前提に、既知を好む保守性をさらに助長するようななプログラミング企画の繰り返しに陥って知的興味もそそらなくなっているものが多いのに対し、大フィルや関西フィル、大阪シンフォニカーあるいはいずみシンフォニエッタなどの企画の方がはるかに面白いものが増えてきたように思う。