和声の禁則

和声の禁則というのは、基本的に各声部の均衡を破らない為の予防的な自主規制の集積。
5度並行、対斜などなどその類。
裏返せば、多声音楽で複数の声部を合流させて、特定の声部を優位にしたり、特定の半音階的変化を強調する技術のヒントになる。
自分の耳で良い音か良くない音か判断出来る人は言われなくてもわかるが、そこまで自分の耳で判断できない人でも、地雷を踏まないように予防的に手引きしようという先人のおせっかいな親切の集積ともいえる。
子供に「火遊びは止めましょう」というのに似ているが、大人の作曲家は火の性質と取り扱い方法を知っていなくてはならない。