北神戸 丹生山系 黒甲越

神戸市北区の丹生山系は、六甲の裏、北西にあって、高さも500メートル台、山容も地味で目立たない存在。神戸電鉄の大池や谷上から見上げると、ちょっとした裏山のような斜面が見えて目立ったピークも目に付かない。箕谷から箱木にかけての南側にまわって見ると丹生山、帝釈山、稚児ヶ墓山が、こじんまりした連峰の姿を見せる。
とくに観光の対象ともならず、有名な渓谷も岩場などの特徴があるわけでもない。神戸近郊の一部ハイカーには歩かれているが、特に広く知られた山ではない。
しかし、この地味さ、標高のわりに思いの外、入り組んだ奥行きのある地形の為か、静かに忘れられたような山道がある。
都市に近く山麓は平地に恵まれているという周辺の環境からだろうか、あるいは炭焼きのほうが優位だったためか、林業がさかんにもならなかったのか、近郊の山のわりに杉や檜の植林に覆われた山ではなくて、やや貧弱な二次林だが雑木林が続き、開発を逃れた峠道や古い仕事道が山中に残る。
屏風川など北面には標高差の少ない傾斜の緩やかな奥行きのある谷が、うねうねと山中を屈曲しながら入り込んでいる。とくに東半分では尾根筋は複雑に枝分かれしていて、分水界をたどっても目立った稜線を縦走する感じがない。
天下辻、黒甲越を越えた屏風谷川の上流は、山麓から見えないちょっと忘れられたような静かな谷間のエリアである。
おそらく一部のハイカー以外は、こんな忘れられた奥まった場所が、神鉄の沿線からすぐ北側の低い裏山の裏側に広がっているとは知らないだろう。
「太陽と緑の道」などそれなりに自然歩道として整備されているコースもあり歩きにくいわけではないが、神鉄がたまにハイキングコースを紹介する程度で、ガイドブックなどにもあまり載らないのでハイカーはあまり多くない。特徴がなく見通しのきかない山野が複雑に広がっていて古い仕事道など錯綜としているので、道標など少し見落としたりすると、不用意なハイカーなどは、結構、道迷いなどおこしやすい地形かと思う。

今日は、晴れ。このエリアの、まだ行き残しているコースを走ったり歩いたりしてたどった。

神鉄大池→天下辻→屏風谷川上流→黒甲越東道→黒甲越→金剛童子山→黒甲越→屏風谷川支流の上流横断点→古倉山に続く稜線の林道→鹿見山NTT中継所→天保池→中山の大池→兵衛池→野瀬の大杣池



→影松池→大歳神社→天神宮→神戸北農協前→野瀬バス停