木にかえる 九州初演

11月30日
長崎県諫早市多良見町の、たらみ図書館海のホールで歌曲集「木にかえる」が演奏されました。
たらみ図書館開館1周年記念「図書館からの贈り物」詩と音楽の写真のコラボレーション。
300人ほどの会場に満員のお客さん、開館1周年の催しとして、イタリアの写真家、マッシモ・ベルサーニ氏の写真展が開催され、演奏会場にも映写されています。写真家ご本人も来場。
ステージバックに夜の海が大きなガラスの向こうに見え、舞台には紅葉した葉を散らしたオブジェ。
照明も良い雰囲気。
出演は、長崎出身でイタリア在住のソプラノ、豊島文さんと、テノールの豊島正伸さん、ピアノが山浦直子さん。
「木のかえる」の詩人、森永かず子さんの朗読やお話。
演奏者、詩人、図書館をはじめスタッフの方々と、この場へ来場された方々、図書館を中心とした人々のコミュニティの暖かさを感じる演奏会です。
 豊島文さんのソプラノ、山浦直子さんのピアノによる「木にかえる」の演奏は、きわめてドラマチックなものでした。劇的に大きなスケールで歌い、演じられ、迫力に圧倒されます。この曲から、こんなにエネルギーを引き出せるものなのかと驚き。
森永さんの詩の想像力と空間感覚のスケールの大きさを現実に人が演じていくといえばよいでしょうか。作曲家も驚く強靱な生命力を詩から引き出します。これだけスケールの大きい歌唱が可能な曲とは自身では想像していませんでした。
演奏のたび、自作を再発見するというのは面白いことです。この曲、私の代表作の一つであることは確実に思います。
詩に喚起されて、他の作品では到達していない深みと凄みのある情緒をもった曲になっていると思います。今後、どんな演奏がされていくのでしょう。

歌曲「木にかえる」の演奏の前に「木にかえる」を詩人が朗読するという趣向も機会があったら是非、試みてほしいところです。

翌朝、時間に余裕があったので、ふらっと図書館に立ち寄りました。
マッシモ・ベルサーニ氏の写真集を眺めて思い立ち、長崎の平和公園浦上天主堂にも行きました。浦上天主堂ではオルガンが鳴ってました。